

ニューヨークにあるASPCA(アメリカ動物虐待防止協会アメリカ本部)。
1866年に設立された歴史ある動物保護施設で、捨てられたり虐待を受けた犬たちが様々なトレーニングを受けながら、新しい飼い主が見つかるまでの期間を過ごします。
場所は、マンハッタンの一角。立派なビルの中に犬たちが暮らすシェルターがあります。一頭ずつ仕切られた3畳ほどの個室は、とても清潔で明るい雰囲気。私が訪れたときには、12、13頭の犬たちがここで生活していて、排泄をするとすぐにボランティアがかけつけて掃除をしていました。
建物の前の通りでは、平日にも関わらずボランティアスタッフが10人ほど集まり、ASPCAで保護された犬の「社会化」トレーニングの真っ最中でした。通常、犬の社会化は生後2~3ヶ月を中心に行われますが、ここで保護される犬の年齢は様々。また里親に出された後のことも考慮して、成犬にも「社会化」が行われます。
傘をさしたり、帽子をかぶったり、様々な変装をしたボランティアが犬の横を通り過ぎていきます。
犬が興奮したり怖がったりせずに、落ち着いていることができたらおやつがもらえる、すれ違いトレーニング。
6頭の犬を連れたドッグウォーカーが、偶然通りがかり、犬に対しても同様にすれ違いトレーニングを行いました。
ボランティアスタッフからおやつをもらい、知らない人に慣れる「社会化」も行っていました。
ASPCAでは大勢のボランティアが活躍していますが、トレーニングスキル毎に役割も異なります。
上のトレーニングも、トレーナーがついてボランティアの皆さんに怖がらせないような接し方を教えていました。
日本の場合、保護された犬の多くは永遠に飼い主さんを待つか、死を待つだけ…という悲しい現実ですが、こちらでは新しい家庭で幸せに暮らせるよう、トレーニングを受けることができるのです。一度、飼い主から見放されたという点では同じですが、その環境の違いに驚かされました。
ニューヨークの街を見渡してみると、都会でありながら多くの犬たちが人間と共存して暮らしています。またASPCAという施設はすべて寄付金によってまかなわれていて、平日にもかかわらず大勢の人たちがボランティアとして、犬との時間を費やしています。
犬を飼うことへの自覚と責任、そして犬をとりまく環境について、まだまだ日本は見習わなくてはいけない事がたくさんあるような気がしました。