

建築技術の発展や都心の土地の有効利用として、近年注目を集める高層マンション。
駅直結のタワーマンションや地上30階から眺める東京タワー、など住宅情報誌をにぎわす様々なキャッチコピーに、「あんなところに住んでみたいな~」とため息をこぼすのは私ばかりではないはず?
でも・・意外な所に落とし穴があったんです。
それは、住環境の高層化で子どもの高さへの警戒心が薄れている、ということ。
実は私の知人も、こんなヒヤッとする体験の持ち主です。
3歳の息子さんがお昼寝中に、急いで幼稚園に通うおねえちゃんのお迎えへ。時間としてはわずか15分程度、しかしその間に目を覚ましママがいないことに不安を感じた息子さんは、ベランダにあったプランターを足場にして、手すりの隙間から顔を出して下を眺めていたそうです。偶然にもその姿を地上から目撃した知人。そもそも幼児は頭が大きく、バランスを崩して転落しやすい体型です。地上18階、ここで子どもの名前を呼んで興奮させてはかえって危険と判断し、あわてて部屋に帰り、うしろから息子さんをそっと抱きかかえたと言います。
東京消防庁のまとめによると、幼児や児童の窓からの転落事故は過去2年2ヶ月間に260件。バルコニーで干した布団にまたがったり、エアコンの室外機に飛び乗り遊んだり…。住宅が高層化し、子どもたちが本来恐怖を覚えるはずの高さに慣れてしまっていることも事故の大きな一因です。また専門家は、こういった高所感覚のマヒを「高所平気症」と呼んでいます。
ではどうしたら、高所平気症を予防し、安全な高さ感覚を養うことができるのでしょうか?
「遊びを通じて学ぶのが理想的」と提唱するのは、東大大学院で母子保健学を教える織田正昭さん。すべり台やジャングルジムなどの遊びの中で、子どもは「高い所から落ちれば危ない、ケガをする」という感覚を自然と身に付けていくことができると言います。また小さな頃から、絵本やお話の読み聞かせの中に「窓から落ちたら、ママとバイバイすることになっちゃうよ」と教えていくのも良い方法のひとつだそう。
子どもの病気やケガに比べ、意外と見落としがちな家庭内の事故。子どもの成長や発達に応じた高所感覚や危険回避能力が身に付けられるよう見守ってあげたいですね。