

今回ご紹介する本は、世界的ヴァイオリニスト五嶋みどり、龍さんの母親である
五嶋節さんの『天才の育て方』。
しかし、冒頭から
「私は天才なんか育てた覚えはありません」
と、きっぱり言い放ちます。
彼女は2人の姉弟が特別な才能の持ち主であるとは考えていません。
どこにでもいる普通の子どもを、自分なりに苦労しながら大切に育てただけ、と言います。
ただ幼い時の環境が子どもの将来に大きな影響を与えるということを、体験を通じて早くから感じていました。著書自身も音楽大学でヴァイオリンを学び、近所の子どもたちにヴァイオリンを教えていたことから、自然に姉弟も楽器に興味を持つようになったそうです。
もちろん、初めから世界的なヴァイオリニストに育てたいとか、超一流の音楽家になってほしいと思っていたわけではありません。ただ自分から「やりたい!」と言い出した以上、きちんと最後までやらせたいと思ったそうです。
また彼女は子どもがやりはじめたヴァイオリンを決して子ども任せにしようとしませんでした。彼女自身もよく勉強して、きちんと子どもに身につけさせるという一貫した教育方針は見習うべきところがあります。
たとえば子どもがモーツアルトの曲を弾いていれば、その時代背景について調べ子どもに教えたり、ベートーベンの曲を練習していれば、彼の生涯について話して聞かせたり…。子どもがその曲について想像力を広げ、より深く向き合えるよう導いていました。
現在、世界の舞台で活躍するみどりさん、ハーヴァード大学で学生生活を送る龍さん、そして母の節さんは主に日本で子どもたちにヴァイオリを教えたり、指導者育成のためのプロジェクトに取り組んでいます。
暮らす環境はそれぞれ違っても、ヴァイオリンという共通のコミニュケーションを持つ3人の家族は、今後も共に成長していくことでしょう。

天才の育て方
著者:五嶋 節
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